高血圧や心不全には食宅便の塩分ケアがお勧め?
現在、ご自身やご家族が高血圧、あるいは心不全などの心疾患で、食宅便の宅配サービスを検討している方へ。
「お医者さんに言われて塩分の管理をしなければいけないけれど、食宅便を利用して大丈夫か?食宅便を利用すれば塩分制限はしっかりとできるか知りたい」
この記事ではこのような疑問にお答えします。
私は普段、急性期の総合病院で理学療法士として働いております。また専門は循環器で心不全や心筋梗塞などで入院された患者さんのリハビリを担当しています。その中で退院後の生活習慣全般についても指導しておりますので、お役に立てる内容だと思います。
高血圧や心不全に食宅便の宅配サービスはおすすめ?
高血圧や心不全は薬による血圧や水分のコントロール、適度な運動による血管状態や心肺機能の維持・改善、そして塩分制限を中心とした食事の管理によって治療していきます。
その中で食事管理について、食宅便の宅配サービスを利用することはとても有効だと言えます。なぜなら食宅便のメニューは管理栄養士が監修しており、塩分管理の他にも様々な栄養バランスが考えられて、作られているからです。
病院でも実際に、食事について専門的に指導するのは管理栄養士の仕事です。ですから管理栄養士の監修で作られている食宅便を利用することは、とても理に叶っていると言えます。
ちなみに食宅便のメニューには、塩分ケアという塩分を抑えた特別メニューがあります。高血圧や心不全の患者さんについては、特にこのメニューを利用したほうが良いのか?次項で解説していきます。
塩分制限の豆知識
豆知識 なぜ高血圧・心不全には塩分制限が必要なのか?
人間の体は、体内の塩分濃度を一定に保つ働きがあります。
なので例えば塩辛いものをたくさん食べると、これを薄めるために大量の水分が体内に蓄えられます。
これは血管内でも同じで、たくさんの水分が貯まることで血管が膨れて血管壁にとても高い圧力がかかります(高血圧の状態)。
そして血管に高い圧力がかかっている高血圧では、血液を全身に送り出す心臓の負担も大きくなります。
やがて心臓のポンプ機能が破綻することで心不全となってしまいます。
弁膜症や冠動脈の閉塞など心不全の原因は様々にありますが、このように高血圧と密接に関係が有り、血圧が上がることで心不全は悪化します。
以上の事より、心不全において血圧を管理すること、すわなち高血圧を抑制することはとても重要で、塩分のコントロールが欠かせないと言えるのです。
豆知識 塩分摂取目標と現実
厚生労働省によると、日本人の1日当たりの平均塩分摂取量は男性で11g、女性で9.5g程度と言われています。
これに対して、理想の摂取目標値は男性で8g、女性で7gですので、日本人は慢性的に塩分の摂り過ぎと言われています(WHO世界基準目標値では5gとさらに低いです)。
実際に和食は、欧米食と比べても漬物やみそ汁、そして醤油など塩分が多いのが特徴です。
ですから私たちは、常日頃から塩分の摂り過ぎに注意しなければいけません。
食宅便のメニューで選ぶなら塩分ケアが良いの?
高血圧や心不全治療における塩分制限の基準は1日あたり6g未満です(1食換算では2g)。
参考:日本高血圧学会
特に心不全では治療する上で厳格に守る必要があります。症状が重ければ重いほど重要です。そして食宅便の塩分ケアについて確認してみましょう。
食宅便の塩分ケアメニューは、1食当たりの塩分が2g以下にしっかりと抑えられています。これは上記に関する知識を持った管理栄養士が、塩分管理は1日6g以下になるように1食の塩分を2g以下にコントロールしているからとも言えます。
ですから1日6g、1食2gの塩分制限を確実に守ることができる塩分ケアは、高血圧や心不全の方におすすめのメニューと言えます。
ただしこれは食宅便のおかずのみの塩分なので、この他に漬物やみそ汁などを自前で用意した場合は、塩分が簡単に2gを超えるのでくれぐれもご注意ください。(参考までにレトルト用の味噌汁1食分では、塩分が2gですので簡単に塩分過多になります)
心不全で食宅便の塩分ケアを利用するメリット
心不全は普段の生活習慣をいかに管理するかが重要です。そのなかで食事に関しては、塩分制限をきちんと守って生活していくことが何よりも重要です。
塩分制限はご自身やご家族の協力で何とか実行していけるかもしれませんが、長い目で見ても毎回の食事を用意する手間や、自分に甘えてついつい味を好みに変えたり、余計な塩分の多いおかずを食べたりすることで、簡単に症状が悪化し入院となるケースがたくさんあります。
ですから普段の食生活の塩分制限において、このようなサービスを積極的に利用することを私は強くお勧めします。
食宅便 塩分ケアのメリット
- 塩分制限が確実に簡単に実施できる
- ご自身やご家族の精神的・肉体的ストレスを軽減できる
- 余計な塩分を摂取しなくて済む(自分好みの味付けや余計なおかずを食べないようにコントロールしやすくなる)
高血圧と食事について
私が日頃、実際に病院で患者さんを指導していて感じることは、本人は一生懸命に塩分制限をしているつもりでも、上手く実行できていない人がたくさんいるということです。
これはご本人やご家族の意識が甘いか、或いは薄味では不味くて、食べられる味の食事を作ろうとすると自然と塩分が2gを超えてしまうのかなと感じています。
このように食事に関して、制限食を自分で用意するのは至難の業です。
なぜなら上にも書いた通り、そもそも制限のある食事を作ること自体が手間であり、また個人の嗜好で味付けしてしまうとなかなか制限を守れません。
そういう意味でも、食宅便を利用することは理に叶っています。
こういった宅配サービスを利用すれば、いつでも手軽に、確実に塩分が制限された食事を食べることができるからです。
大事な事なので何度でも繰り返しますが、生活習慣をいかに変えて行くかが高血圧治療の要です。
その中で、習慣を変えるハードルは低い方が乗り越えやすく、また習慣化する上でも簡単なほうが定着しやすいのです。
ですから私も実際に患者さんと退院後の生活について話すときに、ご家族の協力が得られなかったり、食事を自分で準備・管理することが難しそうな方に関しては、積極的にこのような宅配サービスの利用をお勧めしています。
また仮に何とか頑張って管理できたとしても、毎日3食の献立を考えるのはとても大変です。
ですからこのようなサービスを併用することで、無理なく塩分制限の生活を継続することができるようになるのです。
高血圧は恐ろしい状態ですが、同時にしっかり管理ができれば改善させていくことができます。
毎日1歩1歩、確実に生活習慣を改善していくことを考えていきましょう。
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